つわりとは、妊娠初期に起こる体調不良のことを言います。吐き気や眠気、頭痛、身体のだるさ、唾液過多など人によって個人差がありますが、強く出る人は食べ物のニオイだけで吐いてしまったり何も食べられなくなったりすることもあります。
一般的につわりは妊娠8~9週目にピークを迎え、12~16週目を過ぎる頃には落ち着いていきます。
妊婦の半分以上は経験すると言われているつわりですが、実はつわりが起こる理由はまだはっきりと分かっていません。明確なメカニズムについてまだ正式に解明されていませんが、現在は以下の説が有力として考えられています。
▼ ホルモンバランスの変化
妊娠することで子宮内に「絨毛(じゅうもう)」という細い毛のような突起ができ、絨毛からhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモンや黄体ホルモンが分泌されます。このホルモンが脳の嘔吐中枢を刺激することで吐き気が起きるという説があります。
▼ 身体の防衛反応
妊娠中の妊婦がニオイに敏感になるのは、身体に悪い影響を及ぼす食べ物をしっかりと判断できるようにするためで、身体に良くない物を拒絶することで体内の生命を守ろうとする身体の防衛反応と言われています。
▼ 体内環境の変化
妊娠すると身体が酸性に傾いていくため、身体が体内環境のバランスを整えようとすることでつわりが起こるとも考えられています。妊娠初期にアルカリ性食品である果物や野菜類を好むようになるのは、このためだと言われています。